2022年2月に行われた北京冬季五輪のスノーボード女子ハーフパイプ競技において、卒業生・冨田せな選手が銅メダルを獲得しました!
女子のスノーボードハーフパイプ競技では日本人初メダルの快挙!
前回、初出場となった平昌オリンピックでは8位入賞、そこから怪我を乗り越え、自分が目指すかっこいい滑りを追求してきた彼女の努力があってこそでした。
今回は2018年4月に彼女がJWSCに入学・卒業してから現在まで、専属トレーナーとして携わってきた大橋が、今回のオリンピックの滑りを振り返ってみます。
北京オリンピックのルーティーン振り返り!
どこが銅メダルにつながったのか?ポイント解説
決勝では一人3本のランができましたが、1本目、2本目ともに、オリンピックの前月1月のX GAMESの優勝ランと同じでした。
>>決勝の日本人選手の滑りはここから(NHKのYouTubeにリンクします)
↓X GAMES 金メダルのラン↓
ルーティーンは、FS900メロン→BS540ウェドル→FS720インディ(coke720)→CAB720ウェドル→FS1080テール
1本目を決めた後、2本目はさらに全体的な完成度を上げてきました。得点も86.00から88.25へ。
2本目は平均的に高さが上がっていたことと、グラブが長かった(ボードをしっかりつかんでいるか、時間の長さなども採点に影響します)
メイントリックのFS1080もグラブが長く、ランディングも含めた完成度が高く、それが高得点につながりました。
彼女は2019年12月のワールドカップで転倒し脳挫傷をおって長期離脱となった過去があるのですが、その場所が今回のオリンピック会場。
トラウマもあり練習から恐怖心もあったという。泣きながらもコーチなどに声をかけてもらい決勝に挑んだそう。
個人だけでなくチームに大きく支えられたからこそ2本目の点数につながったのは間違いない!
沢山の応援ありがとうございました!
JWSCではご両親と一緒に応援しました!
「かっこいい滑り」を求めて。
前回の平昌オリンピックからの強化と成長
前回、2018年の平昌オリンピックでは開志国際高等学校の3年生。その後卒業をして、JWSCの1年制のプロフェッショナル養成科(現在ウィンタースポーツ専攻科)に入学してきました。その時から私はトレーナーとして、卒業後も継続してサポートをしています。
次のオリンピックを目指してたのではなく、せながずっと軸にしているのは
「かっこいい滑りをしたい」
女の子みたいな滑りがあまり好きじゃなくてスタイルも高さもかっこいいって思えるような滑りをしたい!
なので「エアーの高さ」や「より動けるような体づくり」を行ってきました。その中で股関節周囲、身体後面の使い方、体幹の強化に力を入れてきました。
「以前よりも高く飛べるようになった」とせな自身も話しているとおり、エアーの高さも4年前よりも全体的に1メートル上がった。特に臀部と体のクロスの使い方を向上してきた成果かなと。
↓4年前との高さの比較↓
■front highest
2018年→10.1feet、2022年→14.2feet
■back highest
2018年→5.8feet、2022年→10.1feet
■cab highest
2018年→8.8feet、2022年→13.8feet
■average
2018年→7.8feet、 2022年→11.5feet
アジア人の女子でアベレージ一10.5feetを超える人が出てくるとは!(1feet=約30cm、10.5feet=約3.2m)
人間は進化し続ける生き物。無理と言われることもあるけど、進化し続けるのに無理なんてないんだなと証明&実感。
最後に
大会直後、本人に「おめでとう!今シーズンはたくさんの感動をもらいました!つらい時期も長かったけど、アスリートとしての強さも近くで見れて俺もすごくいい経験でしたーーー☆ありがとう!そしてあらためておめでとう!マジで最高㊗」と。
普段あまりこのような形で文章を送りませんが、気持ちが入って送りましたww
セレモニーやメディア対応で忙しい中、
「ほんとーーーーーにありがとうございます!!先生と一緒にやってこれてよかったです!!!」と文章をくれました。
また帰国した14日には改めて連絡をくれ、オリンピックで3位になれたことの喜びや、今後についても話をしてくれました。
行動も滑りも応援したくなる選手。その強さはこういった周囲への感謝を忘れない人柄。
ひたむきな姿が周囲も応援したくなる、そんな気持ちにさせる選手です。
本当に良い結果に繋がってよかったです。
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